開成中学校
学校の特徴
全国最高レベルの生徒たちが集まる名門校で、東京大学の合格率首位を誇る。教育理念は「開物成務」「ペンは剣よりも強し」「質実剛健」「自由」。中高一貫教育を行う男子中学校。学校行事や部活動の運営は生徒に任せられ、特に運動会は学校最大のイベント。ボートレースやマラソン大会も有名で、修学旅行も生徒たちで行き先や日程が決められる。
学校概要
創立 | 1871年 |
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学校長 | 柳沢幸雄 |
所在地 | 東京都荒川区西日暮里4-2-4 |
アクセス | JR・千代田線「西日暮里駅」徒歩1分 |
入試概要
募集人数
300名
日程
2021年2月1日
試験科目
国語、算数、理科、社会
面接や実技
あり
試験時間
国語50分、算数60分、社会40分、理科40分
配点
国語85点、算数85点、社会70点、理科70点
入試傾向
難問が多く出題されるのでどの科目も全分野をまんべんなく学習すること、高いレベルの思考力が求められる。ここ数年、大学入試改革を踏まえた新しい傾向の出題がみられるので対策が必要。
国語
ここ数年は大問2題で「論説文」もしくは「随筆文」+「物語文」という構成が多いが、長文2題のこともあれば超長文が1題のこともある。漢字の書き取りは5題程度。
ジャンルは多様なため、「論説文」「説明文」「小説」「随筆」「韻文」など、あらゆる問題への対策を行い、読解力、思考力、表現力を特に鍛えておきたい。特に近年は、下村湖人、太宰治、室生犀星、高見順など、他校では扱われにくい古風な文学作品からの出題も目立つので、そのような多少読みづらい作品にもよく親しんでおくこと。
当校の特徴として、ここ2年続けて「自らの経験に基づいて考えをまとめる」問題が出題されている。読解演習、問題文の要旨・テーマ等に関する記述演習ばかりではなく、自分の経験や主張を短時間で的確にまとめる演習を十分に行っておこう。
文章量は他校に比べ圧倒的で、記述も制限字数が多く、150字程度のものもある。深みにはまると危険なので、冷静な感覚を保ち、時間配分や見切りの判断を誤らないこと。読解スピードも速いに越したことはない。
読解問題の出題分野は幅広いが、物語文では「愛情」、随筆文では「戦争」や「人権」など、分野ごとの出題テーマには傾向があるので、算数と同様、過去問分析・対策はしっかり行いたい。
算数
大問4問。幅広い分野から出題されるが、頻出の分野は「立体図形」「速さ」「数の性質」「規則性」「平面図形」「場合の数」など。思考力が重視されるが、緻密な作業力も必要である。
近年は易化傾向であるため、基本的な問題でのミスは許されない。合格最低ラインは年度により異なるが、過去問や学校別模試で常に75%以上を得点できる状態であれば、合格相当の実力が備わっていると判断できる。
平面図形の問題は割合を含まない、通過算や流水算は出題されにくい、速さは時計算が出題される、問題文自体が長文で、読解力も合わせて問われることが多いなど、当校の特徴として、大手中学受験塾の通常テキストではカバーしきれない部分に比重が置かれている傾向がある。過去問や学校別対策コース等で徹底的に分析・対策しておきたい。
また、当校は式や図や計算も解答用紙に書くように指示があり部分点が加味される。たとえゴールまでたどり着けなくとも、思考の形跡を残すこと。普段から自分の考え方や解き方のプロセスを人にも分かるように書き残しながら解くようにしよう。
理科
大問4問。「地学」「物理」「化学」「生物」の各分野からまんべんなく出題されるが、特に力学には重点が置かれている。生物の分野では植物・昆虫が、地学の分野では地層・天体が出題される傾向がある。
当校の理科は他教科に比べるとやや難度が落ち、合格者の平均点は8割を超えている。基本的な知識問題や計算分野を得点源としている受験生が多いため、それらはミスが許されない。確実に身につけておこう。
問題は易しいものもあるが、基本知識や公式の丸暗記では対応できないものも多い。問題文を熟読すること、実験や観察への思考力を養うことも必要である。
国語と同様、出題分野は幅広いが、分野ごとに扱われる題材にはパターンがある。また、記述問題では理由・実験の考察・知識の説明を問われることが多い、作図問題ではグラフ・物の運動・植物や虫を描かせることが多い、というように、問われる内容・形式にも傾向がある。過去問分析・対策を十分に行うこと。
社会
大問3問。出題分野は傾向が安定していない。「地理」「歴史」「公民」「時事」全ての単元が出題範囲であり、「地理」「歴史」にやや重点が置かれている。統計資料の読み取りや世界地理が出題されることもある。
出題形式も安定しておらず、年度により分野ごとに独立した大問となっていることも、分野を超えた融合問題となっていることもある。
知識問題は通常テキストには載っていないような内容も問われるため、知識量は十分に蓄えておく。また、漢字指定もあるので、漢字で正確に書けるようにしておくことも大切。前述のような融合問題も出題されるので、知識は丸暗記ではなく、歴史、地理、公民、時事などの分野をまたぎ、関連付けて暗記・理解しておきたい。
歴史では江戸時代~戦後が頻出。指定の事柄について、年代順に問う形式が多い。地理では、当校の在る東京・関東地方に関する出題が多いが、各地の産業について、それにまつわる歴史や背景などが問われたこともある。資料を元に地形や気候を考える問題や、首都圏の駅名に関する問題など、内容は多様である。公民では時事問題がからんだものが出ており、近年は東京オリンピックに関する出題が目立つ。
40分の制限時間に対して設問が多いので、基本的な知識問題はスムーズに解くこと。資料の読み取りを素早く正確にできるよう演習しておくことも大切。他教科同様、過去問を参考にしつつ、特に東京に関する歴史、地理、時事には力を入れて学習しておきたい。