毎日の会話から親子の信頼関係を築く。心を開いて同じ目線で話すことが大切
子どもが素直に親の言うことに耳を傾けようという気分にさせるためには、お互いに心を開き、信頼し合える関係性を作ることが大切です。
そのため「同じ目線で話す」という、親子関係において大切なことについて、ここでは考えてみたいと思います。
お互いに心を開いて信頼し合う
先日、20年前に塾で指導した子どもたちが、同窓会に呼んでくれました。
そのときに、彼らに「あのころの先生、こわかったなあ」と言われました。
たしかに、今でこそ笑顔で授業をしていますが、集団塾にはいろんな子どもがいたので、勢いをつけて集団をぐいぐい引っ張っていかなければ、と意識していたのかもしれません。
でも、家庭教師を始めると、同じように勢いをつけて授業をしても、うまくいかないこともありました。
そんな経験や、個性豊かなたくさんの子どもたちと接してみてわかったのは、まずはおたがいに心を開き、信頼し合える関係を築くことが何よりも重要だということです。
子どもが素直に耳を傾けるようになる
なにか言っても子どもが聞こえないふりをしたり、返事をしなかったり、心を閉ざしてしまうのは、自分を認めてもらいないと感じていたり、自分が必要としている言葉をかけてくれないことが原因になっています。
そういう状態になってしまうと、大人がなにを言っても耳を傾けてくれません。
勉強する、しない以前に、そのような関係になっているのなら、それを改善する必要があります。
子どもを感情的に怒ったり、くどくどと叱ることが続いていないか、冷静に振り返ってみましょう。
親や先生に対して「うるさいな」「めんどくさいな」「いやだな」と否定的な感情を持っていると、素直に言うことをきこうと思わなくなってしまいます。
話しているうちに、子どもの気分が楽しくなったり、すごいな、おもしろいな、うれしいな、という前向きな感情が生まれると、素直に耳を傾けるようになってきます。
同じ目線で話すことの大切さ
忙しい毎日の中で、つい、子どもの顔を見ずに話をしていませんか。
でも、顔を見て同じ目線で話すことは、とても大切なことです。親の表情や口調の変化を、子どもは敏感に感じ取ります。
それによって「もっと話したい」という気持ちも生まれます。
ほとんどの子どもが、その日にあったうれしかったこと、楽しかったことを、家でお母さんやお父さんに話したいと思っているのではないでしょうか。
子どもに目線を合わせて、まずは大人が朗らかに話してみましょう。
これは子どもが小さい頃から大切にしたいことですが、高学年になっても、思春期になっても、基本は同じです。
話の途中で批判や指摘、判断をしない
子どもがふっと話し始めたら、そのチャンスを逃さずに、興味を持って話をきいてあげましょう。
「うんうん。それでどうなったの?」と相槌を入れたり、「その話、おもしろいね、もっと知りたいな」という気持ちで話をきいていると、子どもはどんどん話してくれると思います。
話の途中でそれはよくない、と感じても「それはよくないことでしょ」と口をはさまないように注意しましょう。
そこで話が終わらせてしまわないためです。
話の最中に批判や指摘をしたりせず、また、いい、悪いなどの価値判断を持ち込まないことが重要です。
また、「今日学校どうだった?」と毎日同じような質問をすると、子どもが答えに困ってしまいます。「今日、学校で図工があったんでしょ。なにを作ったの?」とできるだけ子どもが答えやすい、具体的な質問をすることで、会話が弾みます。
そんな毎日の積み重ねが、親子の信頼関係のベースを作っていくのではないでしょうか。