塾と家庭教師の両立。いい家庭教師を選ぶための体験授業でのポイントは
最近、中学受験のための塾に通いながら、家庭教師をつけるご家庭が増えています。
それはなぜなのでしょうか。また、家庭教師を選ぶときのポイントや注意点もお伝えします。
家庭教師が必要なのはどんな時?
志望校に合格するための偏差値が大幅に足りない、なにを勉強させたらいいのかわからない、塾の勉強にまったくついていけていないなど、子どもがつまずいている、親もそれに対してどう対処したらいいのかわからないと感じたら、家庭教師にお願いするのもひとつの選択肢として持っておくといいかもしれません。
特に最近は、共働き家庭が増えて親が子どもの勉強につきっきりでいられないこともあり、塾に行きながらピンポイントで家庭教師を頼んでいるご家庭も増えています。
今すぐに家庭教師をつけるつもりはなくても、どんな家庭教師の派遣元があって、どんな先生がいるかだけでも知っておいてもいいかもしれません。
費用なども調べておき、できれば体験授業だけでも早めに受けておくと、いざ必要になったときにすぐに対処することができます。
家庭教師が必要なのは、子どもがつまずいていると感じた時です。
そのサインのひとつはやはりテストの成績の推移でしょう。
また、子ども学力が著しく低下している場合や、勉強している中で「どこがわからないのかがわからない」という状態になった時も、家庭教師を検討してみるのもいいかもしれません。
問題用紙に残ったメモから読み取れること
私は、体験授業でご家庭に伺うとき、まず見るのは、子どものテストの答案用紙ではなく問題用紙の方です。
問題用紙に残ったメモ書きからはいろいろなことが読み取れます。
まず、字が乱雑な場合は、子どもの学習意欲が低下していたり、内容理解が進んでいないことの表れです。そこに残った計算や式、問題のどこに線を引いているかなどを見ると、お子さんの現在置かれている状況がわかります。
たとえば最初の1、2行はきれいな字で計算しているのに、3枚目あたりから急に字が乱雑になるのは、ギブアップという気持ちになったのか、残り時間が短くて焦ったかのどちらかなのですが、そのどちらの理由かによって対策が異なります。
その問題用紙を元に、子どもや親御さんに質問を重ねて原因を探り、改善策を考えていきます。
プロの家庭教師は、そういった原因の追究やそれぞれの子どもの状況に合った改善策をしっかり考えることができるはずです。
ぜひ、先生を選ぶ際の参考にしてください。
体験授業でのチェックポイント
家庭教師を検討するなら、必ず体験授業を受けるようにしましょう。
その授業は、子どもの勉強部屋ではなく、必ずダイニングやリビングなどお母さんかお父さんがいるところで行ってもらうようにしてください。
そこでまずチェックしたいのが先生の知識レベルです。先生に、本当に教える力があるかどうかを見極めましょう。
問題をチラッと見ただけで解き方を提示できる力量があるなら大丈夫でしょう。
また、いろんな塾の事情に精通しているかどうかも、具体的な質問をすることで確認できます。
最新の塾情報を知っているかどうかは、学習のスケジューリングにも差が出てくるので必ずチェックするようにしてください。
子どもの気持ちを鼓舞する技量があるか、子どもの伸びる要素を見つける力を持っているかどうかも重要です。
具体的には、子どもを褒めるときに結果ではなく過程を認める先生がいいでしょう。
なにより「この先生とは楽しく勉強できそう」という成功の予感を子どもが持つことができるのは、いい先生である証拠です。
親がいいと思う先生と子どもが教わりたい先生が一致しないことはほぼないので、直感を信じてみてもいいかもしれませんね。
短期間・期間限定で家庭教師を上手に利用する
その子に必要な時期だけ家庭教師をお願いすることもできます。
春休みや夏休みの期間だけ、入塾テスト対策の数ヶ月、6年生の最後の半年だけ、という風に期間限定で家庭教師をつけるご家庭も増えています。
必ずしも入試本番まで続けなければいけないわけではないので、気楽に相談してみるといいでしょう。
私の経験から言わせていただくと「あと半年早ければもっとうまくいったのに」と思うことが実際に多くあります。
力量のある家庭教師なら、志望校の選定やその出題傾向に合わせた指導、家庭学習のスケジューリングもできます。
少々金額が高くても「最後の半年だけは」と予算を組む価値はあると思います。
家庭教師でより効果的な塾のフォローを
塾に通いながら家庭教師をつけるとなると親も子どもも「今よりもっと勉強させられるのか…」と考えがちですが、決してそうではありません。
むしろ、力量の高い家庭教師ならより少ない勉強で、より効果的に成績を上げていくことができます。
家庭教師は、塾の宿題を手伝うという形をとりながら、より深く内容理解を進め、その周辺知識の補完をする役割なのです。
子どもにとっては塾の宿題は家庭教師の先生との授業で終わって時間を節約できるだけでなく、一緒に取り組むことで忘れにくくなるというメリットもあります。
よい家庭教師なら塾のカリキュラムや宿題をうまく利用しながら、それぞれの子どもを伸ばす方法を見つけ、それを実践するためのスケジューリングまですることができるのです。
逆にそれができずに、別の問題集をやろうとする家庭教師を選ばないように注意してください。
中学受験をするなら、時間を効率的に使って、大量の学習に優先順位をつけて進めていく必要があります。
それができる力量のあるいい家庭教師を選ぶようにしましょう。