中学受験 授業ノートを家庭学習で活用して成績を上げる方法とは
小学校の高学年になると、子どもたちは授業で板書を一生懸命にノートに書き写すだけではなく、工夫をして要点をまとめて取るようになります。
そのノートやメモはどのように家庭学習に活用されているでしょうか。
今回は、家庭学習で授業のノートやメモを活用し、成績を上げる方法について紹介します。
ノートを取る段階で気をつけるべきこと
お子さんが授業でノートを取るとき、そのことばかりに注意をとられてしまうケースがあります。
たとえばノートをきれいに見せようとして全ての線に定規を使う子は、分数にまで定規を使うことがあります。
学校の先生の方針できれいに取ることに重点を置き、些細なことにも定規を使うよう指導されることもあります。
しかし学習で大切なのは「正確さ」と「スピード感」です。
そのためフリーハンドで書く方が有利です。
図形にしても分数にしても、定規を使うと時間もかかりますし、思考や集中力もさえぎられてしまいます。
たとえば図形問題で「相似」を学習しているとしましょう。
「AとBは相似形になるはずなので、こことここを直線で結ぼう・・・」と線を引く場合、フリーハンドであればそのことを考えながら線を引くでしょう。しかし定規を使った場合、考えることなくスッと鉛筆を定規の上に走らせて終わってしまい、考えるスキもありません。
多くの小学生はマス目ノートを使うので、そのマス目を利用すればフリーハンドでもある程度の図形や円はきれいに描けます。
小学生の場合、ノートを見返して学習するのは授業のあとの1週間くらいです。
その後も見返してテストに役立てる、というようなことはまずありません。
そういった意味でも見た目が整っているかどうかではなく、その場で考えて理解しながらノートを取れているか、ということが重要になります。
見た目だけのノートは先生からの花マルをもらえるかもしれませんが、それだけです。
家でノートチェックをしたとき、見た目が整っているノートをほめるのではなく、自分なりにフリーハンドで書いている跡があったら、そこをほめてあげてください。
算数の「○」、「×」、「△」チェック
高学年になってくると学力で差が出やすいのが算数です。
算数はノートを振り返っても、問題を解きこなしていかないと点数が上がりません。
そこで、実際に授業で解いた問題をどのくらい理解できているのかどうかを「○」「△」「×」に振り分けます。そして家庭学習では「△」だけを集中して復習していきます。
「○」は授業で迷わず正解できるもの、似たような問題がテストに出ても必ず正解できるもの。
「△」はわかったけれど自信があるわけではなく、テストに似たような問題ができたら正解できるかどうかはわからないもの。
「×」はさっぱりわからない、というもの。
このときの振り分けは基本的に子どもにさせますが、より判断しやすいように親が声かけするといいでしょう。
「テストに出ても絶対に解けそう?」と聞いて子どもが自信ありそうに「大丈夫!」と答えるならば「○」になりますが、少しでも不安があれば「△」、内容が全くわからないようであれば「×」と子どもといっしょに判断基準を決めておくといいですね。
授業中、先生の説明が終わったあとに小問題の問題番号のところに小さくマークしておきましょう。
チェック後の家庭勉強について
小学校や塾での授業は、その日の課題の最重要項目が大体2問です。
なので、家庭学習ではまず「△」がついた問題の中の2問くらいを解いてみるといいでしょう。
もしも「△」がついた問題の数が多かったとしても、そのときに全て解き直しする必要はありません。
重要問題をその日に解いて理解していけば、学力は必ず上がります。
学校の問題であれば1問3分くらいで解けるでしょう。
もし全体的に印が雑に付けられているようであれば、少し時間をかけて親からコミュニケーションしてみましょう。
たとえば、
「むずかしい問題なのに”△”ということはほとんど分かっていると思うから、先生になって私にわかりやすく説明してくれる?」
「”△”が4個あるね。この問題とこの問題をお母さんに教えてくれる?」
と具体的な声かけをすることで、子どもがどのくらい理解しているのかがわかります。
そして「×」に関しては小学校4年生までは基本的に家庭では復習しなくてよいでしょう。
算数は積み上げていく教科なので、そのうちに同じような項目を再び学ぶ仕組みになっています。
その間に力を積み上げていけば、同じような問題が出てきたときに解けるようになっていることはよくあります。
しかし5年生や6年生になっても類似問題で「×」が付く場合、親のサポートが必要になります。
そのまま放置してしまうとそのまま受験を迎えてしまったり、中学校に入ってもついていけない場合があります。
小学校の勉強はていねいにさえ学習すれば必ず理解できる内容です。
しっかりとつまずきをクリアしていきましょう。
「○」に関しては自信がある問題ですから、改めて復習する必要はありません。
「○」「△」「×」を使うことによって集中的に効率よく時間が使えるのです。
この記事をまとめると、以下のようになります。
小学生の高学年では自分なりのノートの取り方が大切になってきますが、見た目ばかりを気にして定規を使うのではなくフリーハンドで理解を深めながらノートを取るようにしましょう。
そして授業の説明のあとの小問題を解いたあとは、「○」「△」「×」で自分の理解度を判断し、「△」がついた問題を中心にその日のうちに理解できるように解き直して復習します。
親が声かけや質問をしていくことで、子どもの理解度を判断し、親子の協力で算数の学力がのびるといいですね。