コロナウィルス感染拡大による休校対応 家庭学習での算数の取り組み方
コロナウィルス感染拡大による休校で、自分の学力やペースに合わせて学べるというメリットがある一方、プロのアドバイスがないため、何をどう進めればいいのか分からなくなってしまいがちな家庭学習。
ここでは家庭学習での算数の取り組み方について、解説いたします。
家庭学習では遊びを取り入れながら算数の感覚を磨く
算数では、数の扱い、図形の扱いが非常に重要になります。
その感覚というのは、実は遊びの中でもだいぶ身につけることができるのです。
図形の感覚を養うゲーム
例えば、こんなゲームが市販されています。立体4目並べです。
https://www.hanayamatoys.co.jp/product/category/puzzle/katsunou/katsunou-line4.html
これは、五目並べの立体版です。ビーズのような穴の通った白と黒の玉があり、それを相手と交互に串に挿していきます。先に4目を並べた方の勝利。たった4目ですが、2次元でやっていたものが3次元になるだけで、並べ方のバリエーションが一気に広がり、非常に手応えのあるゲームになります。
やっていくうちにコツが掴めてくると思いますが、立体4目並べで勝とうと思ったら、立体の中の斜めの線に注目していくことがポイント。この「立体の斜め」とは算数で言えば、立体の中に引く補助線にあたります。立体の斜めを意識することで、補助線の感覚を鍛えることができる。これがまさに、そのまま図形に強くなるセンスを養ってくれるわけです。
それ以外にも、平面図形についてならオセロゲームもいいですね。オセロゲームは、まさに斜めの線が勝敗を分けます。斜めの線をよく考えて、一つを置けば大逆転みたいな事が起こるわけです。
数のセンスを鍛えるナンプレ
また、数のセンスを鍛えたいのであれば、ナンプレ、数独がおすすめです。これも、ひとつの枠の中、縦の線、横の線と、三つを同時に見ていく必要があります。さらに、数字を書きだしていくと時間がかかるため、速く解くためには、頭の中に数字を一瞬おいておく必要があります。するとこれが、短期記憶の非常に良い練習になるわけです。
数のセンスは鍛えると同時に、短期記憶を鍛える訓練にもなる。
親子で一緒に楽しみましょう
立体4目並べやナンプレのように、遊びながら算数のセンスを高められるようなものを、上手に活用してほしいと思います。
基本的に、カードを使ったゲームは、ほぼ全てが頭を鍛える役に立ちます。
参考書や問題集で勉強するのも大事ですが、ぜひ、遊びも取り入れていただきたい。できれば、親も本気になって一緒にできるようなゲームが見つかると最高ですね。
メリハリをつけて計算練習
では次に、机の前に座って問題を解いていくような、いわゆる「勉強」の話をします。
算数といえば、まずその基本となるのが計算です。
計算は、やればいいというものではありません。
「正しい答えを一発で出すんだ」という気持ちを持って計算に取り組まなければいけない。
「一発で正解する」ということを自分に言い聞かせながら頑張るのが計算です。
もちろん、速く解くということも重要ではあります。それこそストップウォッチで計って「はい、1分で解くよ」という場面も必要です。しかし、時には、多少時間がかかってもいいから、「この10問を必ず正解させるぞ」と自分に言い聞かせて、じっくり解くという練習をすることも大切です。
取り組み方のメリハリも考えて、計算練習をしてみてください。
文章問題を音読する
ご家庭で文章題を練習するとき、ぜひやっていただきたいことがあります。
それは、問題文の音読です。
子どもが問題集を解きはじめて、文章題のところで「この問題が分からない」と言ってきたとき、そこですぐに解き方を教えずに、「まず、音読を2回してごらん」と声をかけてください。
音読が終わったら、「じゃあ、次は、黙読してごらん」。黙読も終わったら「問題を解いてごらん」と促してほしいのです。
こうすることで、お子さんが「分からない」と言った問題が5問だったとすると、おそらく3問ぐらいは自力で解けるようになります。
これはつまり、ふだん子どもがいかに急かされているか、速く解こうと焦っているかということです。問題文をしっかり咀嚼する前に、すぐ答えを出そうとしてしまうものです。
家庭学習では、ぜひ、問題文の音読を取り入れ、問題文の内容をきちんと理解するトレーニングをしてください。
家庭学習では楽しむことが大事
ご家庭での学習は、塾と違って先生や友達からの刺激がないので、楽しくなければ続きません。
1日に1ページでもできたら、「もうすごい!」というぐらいの気持ちで、じっくり取り組んでいいと思います。
焦らずに取り組むことで、算数の勉強は楽しくなっていきます。
算数というのは、何度も繰り返し勉強して慣れていくもの。そのような考えをしている人が多いでしょう。もちろん、それはその通りで、決して間違いではありません。しかし、もし今、算数が伸び悩んでいるということであれば、この考え方からちょっと離れてみるとよいでしょう。
ゲームを取り入れてみる。じっくり問題文を読んでみる。楽しく焦らず学んでいくことで、算数の魅力に触れることができるでしょう。
算数は、実は「一生懸命読んで考えたら分かった。それが楽しい」という教科であるということに気づくはずです。