小学生の子どもの問題集の丸つけは親がやるべき理由とは
小学校のテストで子どもが高得点を取っていると、つい親は安心してしまいますが、いざ塾のテストになるとあまり点数が取れない、というケースがよくあります。
小学生の学習では親のサポートが必須なのです。
ここでは、親が問題集の丸つけをすることで子どもの苦手部分を見つけて理解を深める方法を紹介します。
学校と塾のテストの違い
学校では高得点が取れるのに、塾だと点数が取れないという悩みを持つ家庭が非常に多いです。
学校と塾とのテストでは何が違うのでしょうか。
学校のテストでは授業でやった内容の基本がわかっているかどうか、という確認の意味が大きいです。
単に教科書の例題の数字が入れ替わっているだけ、という形の問題も多いので、授業をきちんと聞いていれば、教科書を読めば、十分に点数は取れるでしょう。
学校のテストが高得点だからといっても安心できない理由はここにあります。
学校のテストで平均95点を超えている、ということはそう珍しくはないのです。
その5点はケアレスミスの場合もあるので、本当は100点が取れているのかもしれません。逆に60点、70点、というこのほうが少数派です。
そういった意味で学校のテストで子ども学力を見極めるのはむずかしいでしょう。
それに比べて塾のテストは、基本からもっと踏み込んだ応用問題が多く並びます。
そのために平均点数が一気に下がってしまうのです。
応用問題では学習内容が本当に理解できているかどうか、本当の学力を問われます。
そこで必要になってくるのが家庭学習で使う教科書準拠の問題集です。
教科書準拠の問題集はもちろん学校での授業がベースとなっていますが、さまざまな種類の応用問題を扱っています。
そのため学習に対しての多角的な理解度が深まりやすいのです。
中学受験をするにしてもしないにしても、小学3年生くらいからは問題集を使って家庭学習をする習慣をつけるようにしましょう。
そして、4年生以降は自分の本当の学力を把握するための道具として問題集を活用してください。
問題集の丸つけは親がやる
問題集を使う場合、特に高学年になるにつれて自分で丸つけをやりたい、という子どもが増えるかもしれません。
しかし丸つけは親がやるようにしましょう。
学校のテストが高得点にも関わらず、問題集での間違いが多いという場合、内容を理解しているのではなく、ただ授業で受けた内容をなぞっているという可能性があります。
これを見極めるには親の丸つけが必要です。
正解できた場合には「よく頑張ったね、ずいぶんとこの問題は理解できているね」とほめてあげましょう。
間違った問題があった場合には「この問題はもう一度やってみようね、ゆっくりで大丈夫だからね」などと励ます言葉で必ず解き直しをするようにしてください。
間違った問題が出たときに自分で解き直しができるようになるまで、きちんと習慣づけをしましょう。
子ども自身だけでは解答して、丸つけして、解き直し、という一連の作業をするのはむずかしいのです。
どうしても自分に甘くなってしまいますし、間違えたら解き直すのは面倒くさいし、モチベーションも下がるのでそのまま放置、ということも起こりやすいのです。
親が丸つけをして声かけをきちんとすれば子どものやる気にもつながりますし、ポジティブな言葉を使うことで、子どもも親に「見張られている」という緊張した気持ちではなく「応援してくれている」という感覚に変わります。
丸つけと声かけは10分もあればできます。子どもが自分から間違った問題を解き直しするようになるまでしっかりと導いてあげてください。
問題集にノートが必要かどうか
家庭学習で問題集を使う際にノートに解答させるべきかどうか、と悩む親も多いようですが、あまり気にする必要はありません。
これは単純に問題集の解答スペースがどのくらいあるのか、という点で判断しましょう。
ノートに書く方が学習への理解が深まる、というわけでもないのです。
しかし、「短期記憶」が苦手な場合にはそこを鍛える意味で数字を書き写すことに意味があります。
例えば長い計算問題で見ていきましょう。
「(35+25×4)÷9」という問題の場合、それをパッと見て(35+25×4)を意識できる子なら大丈夫ですが、「35」を見て「35」を写し、「+」を見て「+」を書き、さらに「25」を写すような具合で、連続した数字を覚えきれない場合にはノートへの書き写しが訓練になります。意識をしながらまとまった数字がおぼえられるようにしていきましょう。
学校と塾でのテストの点数のちがいの多くはケアレスミスだけでなく、基本からふみ込んだ応用問題であることが大きな要因です。
応用問題では子どもが学習内容を本当に理解しているかどうかが問われます。
それを把握するには問題集を使った家庭学習と親の丸つけ、そして解き直しが重要です。
子どものやる気につながる親の声かけで励ましながら、間違った問題は解き直しをさせ、ひとつひとつの学習の理解を深めていきましょう。