中学受験 社会で成績を上げる方法とは?社会が伸び悩む原因と対策を徹底解説
中学受験の社会の勉強は「覚える」または「覚えさせる」他に、明確な勉強の手段がなく、繰返し問題を解く以外の勉強方法がないと思われるせいで、どのように勉強すればよいのか?四教科の中でも一番わかりにくいと言われます。
ですが、中学受験の社会にも、確実に安定して、成績を伸ばしていく方法はもちろん存在します。
この記事では、「中学受験の社会が伸び悩んでしまう原因」から、「お子さんの社会の成績を短期で確実に伸ばすための学習の改善ポイント」を【地理・歴史・公民の分野ごと】にまとめました。
小学校低学年から社会の成績を伸ばすために気をつけることや、お母さん・お父さんが今日からお子さんの社会の勉強のためにやってあげられることまで解しているので、ぜひご活用ください。
目次
1. なぜ、中学受験の社会が苦手になるのか?
そもそも、なぜ中学受験の社会が苦手になるのでしょうか?
何かと「勉強方法がわかりにくい」と言われる社会ですが、国語・算数・理科と比較すると、社会の成績が上がらない原因はわかりやすいのも、中学受験社会ならではの特徴です。
中学受験の社会の成績が伸び悩んでしまう原因は大きく2つあります。
【原因1】圧倒的な勉強時間の不足/社会は「後回し」にされがち
中学受験では、学年が進むにつれて「算数」に取られる時間が多くなっていく傾向があります。
そのため、国語と理科にもある程度当てはまるのですが、算数の勉強時間を確保するのに精一杯で、どうしても社会は「後回し」になってしまうご家庭が大半です。
社会が後回しにされてしまう理由としては…
■ 頑張ったとしても忘れてしまうので、受験本番前に力を入れたほうがよい
といったように考えてしまい、ご家庭での学習の優先度が低くなってしまうことが挙げられます。社会が伸び悩んでいる…というご家庭では、心当たりがあるのではないしょうか。
その結果、社会の学習時間自体が不足しているため、成績が伸び悩んでしまうご家庭が後を絶ちません。
【原因2】暗記で乗り越えるには、3年間で覚える量が多すぎる/時間が経つと、どうしても忘れてしまう
中学受験の社会では、地理・歴史・公民の3分野が取り扱われ、難関校合格には全ての分野で、一定以上得点できることが必須です。
どれか1つの分野だけでも、大人でも覚えきれていないことがあることからもわかるように、求められる知識の量は膨大です。
そもそも、覚えなくてはいけない量が多いのに、中学受験3年間という長い学習期間で、新しいことを次々学習していくため、お子さんは1度やったことを忘れてしまいます。
むしろ、どれだけ優秀なお子さんでも「忘れる」ことは当然と考えなくてはいけません。
【中学受験社会で成績を上げるには?】短時間で、頭に残る(すぐに思い出せる)勉強が求められる
そのため、中学受験の社会は「繰返して知識を暗記する」以外に勉強方法がないと考えられるのですが、これこそが成績が伸び悩む最大の原因です。
社会の成績を上げるには、【膨大な量の知識】を【限られた時間の中】で、【どれだけ忘れないように頭に定着させる】かが鍵となります。
中学受験の社会で、難関校に合格するだけの成績を取るためには、短時間で、お子さんの頭に残るような学習ができているかどうかで勝負がわかれるということです。
そのためにはどうすればよいのか?をここから重点的に解説していきます。
2. 社会の成績を安定して上げているお子さんの学習方法とは?
中学受験で、短時間で確実に社会の成績を上げるためには、どのような学習が求められるのかを解説していきます。
中学受験の社会で成績をあげている子に共通することは?
まず初めに、実際に社会で毎回高得点が取れている「社会が得意なお子さん」の学習に注目してみましょう。
社会の偏差値が毎回60以上のお子さんには、下記のような特徴が共通しています。
このように説明すると「社会が好きになってくれるなら、苦労しないよ…」と言われてしまうでしょう。ただ、この特徴にこそ、社会の成績を上げる大きなヒントが隠されています。
社会の成績を上げるのは、因果関係を理解した「ストーリー性」
それは、お子さんが社会の学習を「ストーリー」として楽しめている、より解像度を上げて表現をすると、「社会はただの勉強」ではなく、「社会で学ぶことは1つの壮大な物語・お話」として捉え、頭に入れられていることが共通していることです。
言葉の丸暗記だけの学習では、どれだけ優秀なお子さんが繰返し問題演習を重ねたとしても、1ヶ月も経てば覚えた知識のほとんどが忘れられてしまいます。
お母さん・お父さんもご経験があると思いますが、入試や試験のために覚えた知識は、今となってはほとんど覚えていないのではないでしょうか。
それに比べ、一貫したストーリーとして覚えていることは、たとえ人物名・語句・専門用語を忘れていたとしても、改めて説明されたり、1度読み返すだけで「そうだ。そんな話あったな。」と思い出せるのではないでしょうか。
これこそが、中学受験の社会を攻略する鍵です。
それは地理・歴史・公民のように全く別の分野であっても同じで、歴史の学習の中で学んだ「どこで何が起き、今のような発展を遂げたのか?」を地理の学習に紐づけられることや、公民で扱う「選挙制度」や「憲法」であっても、「どうして、そのような制度・仕組みが作られたのかという歴史的背景を知っていることによって、学習の効率は大きく変わっていきます。
語句・人物名・地図を丸暗記するだけの学習や、問題演習を何回も繰返して、「じきに忘れてしまう知識」が身につくだけ。
社会全体を1つのお話と捉え、「なぜ、そうなるのか?」「どうして、そうなったのか?」という因果関係までを理解することができれば、後から勉強したときに、すぐに思い出せる知識を身につけることができ、限られた学習時間の中で、他のお子さんと差がつく、本当の意味での「社会の勉強」ができるようになってきます。
3. 今日からできる社会の成績を上げる家庭学習の改善ポイント
ここまでで、社会の成績を上げるためには、語句の丸暗記ではなく、「なぜ、そうなるのか?」「どうして、そうなったのか?」という「因果関係」を重視し、社会の学習をある種の物語「ストーリー」して捉えることが大事だということをお話しました。
このように説明すると、「おもしろおかしく先生が説明してくれたら苦労しない」と思われるかもしれませんが、そのような授業ができる先生は集団塾でも一握りですし、限られた授業時間で、子どもたちの心を鷲掴みにするような授業をができる先生と出会うことは難しいということは、お母さん・お父さんもご理解いただけると思います。
ただ、お子さんに、「なぜ、そうなるのか?」「どうして、そうなったのか?」という「因果関係」を覚えてもらい、社会を1つのストーリーとして捉えながら学習してもらうことは、家庭学習に少し工夫を加えるだけで達成できます。
ここでは、ご家庭でどのように学習を進めれば、社会の「因果関係」を理解して、一連のストーリーとして勉強することができるのか?その改善ポイントをご紹介します。
社会の成績を一気に上げる宿題前の「15分復習」
因果関係までを、しっかり覚えるには、社会の学習を3段階に分けて考えることが大切です。
社会が苦手なお子さんは、この(2)知識の整理 = インプット2の段階が不足しています。
授業で先生の話を聞くことは、もちろん大事です。
授業の受け方をより良くすることで、お子さんの理解を深める方法は、下記の記事も合わせて参考にしてください。
ただ、授業では、短時間で相当な量の内容を説明されますから、頑張って授業を受けたとしても、それだけでは内容自体、頭に入り切っていないことや、因果関係の理解が曖昧なことが、どうしても出てきてしまいます。
この状態で、宿題や問題演習をやる(アウトプット)の段階に入ってしまっては、語句を覚えるだけの従来の社会の成績が伸び悩む学習から抜け出すことはできません。
そこで大事なことが、宿題を始める前に、前回の授業内容を振り返る15分間の復習の時間をもつことです。
前回やったことは何だったか?先生はどんな説明をしていたのか?ノートを見ながら、思い出していきましょう。
たったこれだけで、「なぜ、そうなるのか?」「どうして、そうなったのか?」を振り返ることができ、お子さんの頭の中に「因果関係」の理解が身につき始めます。
初めから全部説明できる必要はありません。振り返りの時間を取ることで、宿題を進めるスピード自体も上がるため、この15分は絶対に無駄にはなりません。むしろ全体の効率が上がります。
授業の理解を上げる「10分予習」も有効
予習禁止の塾であっても、次回の授業で何を勉強するか?は事前に通知されています。
「今日は何をするのか?」を知っておくことで、授業内の理解は段違いになります。
「今日は、こんな野菜が出てくる。」「こんな人を取り扱う」「〇〇って制度があるらしい」といった浅い知識であっても、知っていることが多ければ、その分先生の話が頭に入ってきやすくなります。
15分復習と併用して、その日扱う内容をあらかじめ授業直前(ベストは授業前日)に読んでおく10分程度の予習をするだけでも、お子さんが授業内容を、一連のストーリーとして関連付けて覚えることができるようになるので、「予習」も有効です。
詳細は「歴史の勉強方法」でも説明しますが、「まんが日本の歴史」を読了しているお子さんは、歴史の成績が大きく上がりやすいなど、実際に社会の成績を安定して上げているお子さんは、事前に頭に知識を入れているのも特徴です。
因果関係の理解を完成させるには、テキストを親子で読む「コアタイム」学習
時間を取ることが難しいご家庭もあるとは思いますが、それでも1週間に1度は、お母さん・お父さんの前でお子さんがテキスト内容を朗読する時間を取って上げることもオススメします。
教科書の内容を音読するだけでも、とても効率の良い知識のインプットが可能です。
ただ、内容をダラダラと声に出して読むだけでなく、しっかりと内容を意識して読むことが大事です。そのためにはお子さん1人で読ませるのではなく、大人の前で読んでもらうことが最善手のため、定期的に「親の前で教科書を声に出して読む」という学習を導入してください。
私は、これを「コアタイム = 親が見てあげる時間」と呼んでいます。
お子さんがテキストを読み終わったら、そこに書かれている内容を質問してあげてください。
「千葉には工場が多いって言ってたね。それは、どうしてなの?お母さんに教えてくれる?」
といったように、お母さん・お父さんが興味を持って、お子さんに教えて欲しいという姿勢を見せてあげることが大事です。初めはうまく説明できなくても構いません。
大事なことは、お子さん自身がテキストから読み取ったことを「自分の言葉にすること」です。
初めは30分くらいかかるかもしれませんが、その時間も徐々に短くなっていきますので、まずは挑戦してみましょう。
お母さん・お父さんが「質問してくる」ということを意識して、テキスト内容を読むことで、テキストに書かれている因果関係をお子さんが、積極的に理解する習慣が徐々に身についていきます。
延々と問題演習を繰返すのではなく、このように、社会1つの物語として捉え、因果関係を自分の言葉で説明できるようになれば、限られた時間の中でも、確実に頭に残る知識を身につけることができるようになります。
ここまでだけでも、社会の成績は必ず上がります。
お子さんの勉強量を増やしたり、過度な繰返しの暗記に頼ることもないため、お子さんへの負担も少なく、かつ1つの物語を追いかけるような楽しい学習が可能になり、結果として、自分から社会の勉強をしたくなる子も多いです。
ぜひ実践してみてください。
【地理・歴史・公民】今日からできる分野別の学習の改善ポイントまとめ
続いて、地理・歴史・公民の分野ごとに、どのように勉強すれば、社会の成績が上がりやすいのか?分野別に詳しく見ていきたいと思います。
今日からできる 地理の成績を上げるために気をつけることとは?
都道府県の暗記は必須 4年生の7月までを目安に
ここまで「暗記だけでは中学入試の社会は乗り切れない」ということを説明しましたが、暗記はまったく必要ないのかといえば、そうではありません。「三重県の県庁所在地が津市」だということを覚えていなければ、いくら考えても出てくることはありません。
そのため、まずは都道府県の位置を覚えることは必須です。
目安としては【4年生の7月までには都道府県を覚えること】を目標にしてください。
都道府県の位置を4年7月までに覚えることができていれば、以降の産業・農業全ての理解が加速します。
学習の際は地図帳を常に手元に置いておく
地理の学習の際には、必ず地図帳を手元に置いておきましょう。
位置や山脈・河川の確認だけでなく、「今はどこの話をしているのか?」を常に確認することが大切です。
こうすることによって、「どの工業地帯も海沿いにある、これは大量の水を必要とするからだ」といったように、なぜ、その地域で産業が発達するのか?といった因果関係が自然と見えてくる学習が可能になるからです。
反対に地図帳がないと、「文字」だけで追いかけることになり、理解の効率が激減します。
必ず地図帳で確認をしながら、勉強する習慣を作りましょう。
場所を覚えるには、白地図への書き込みが有効
どこに何があるのかを覚えるには、実際に白地図に書き込むことをオススメします。
見て覚えるだけでは頭に定着しにくいのですが、実際に白地図を用いて【自分で地図を作っていく】ことで、頭に定着しやすくなっていきます。
自分だけの地図を作るという楽しさを演出しながら、手を動かすことで、効率よく「どこに何があるのか?」はもちろんのこと、「その周りにはどんな産業が発達するのか?」といった知識にも目がいきやすくなります。
データを全部覚えるのは無理/大人が覚えることを選別してあげる
近年の頻出問題として、気候変動による農作物の産地の移り変わりなど、高度な問題が出題される傾向があります。
このような表・グラフを端から端まで覚えることは非現実的です。
大人でも、何も見ずに何年分もそのようなデータが頭に入っている人は専門家でもほんの一握りだということを考えると、これは当然ですね。
大切なことは「そのデータから何が読み取れるのか?」という、これまた「因果関係」です。
データは、「どこまで覚える必要があるのか?」(産業別の上位3県まで)など、明確な基準を決めて、必要最低限の暗記に留めることを心がけることも地理の成績を上げる最短ルートです。
小学生のお子さんだけでは、これはどうしてもできません。
真面目なお子さんほど、全部覚えないと…となってしまいがちなので、ぜひ大人がチェックしてあげてください。
今日からできる 歴史の成績を上げるために気をつけることとは?
まずは漫画でストーリーを、ざっと頭にいれる
歴史については、大まかなストーリーを知っているかどうかで、授業の理解が段違いになります。
そのため、5年生の夏までには、「まんが日本の歴史」は一通り読んでおくことは、必須です。
好きになったお子さんは勝手に何度も読んでくれるので、それでよいのですが、中には読み進めることが難しいお子さんもいます。
その場合は、お母さん・お父さんも一緒に読んであげるのも有効です。
特に中学受験においては、近代史について重点的に読んでおきたいですが、お子さんは他の時代の方が興味を持ちがちです。近代史は、2回以上読めるようにしておきましょう。
低学年からでも読める作りになっているので、早い段階から読ませてあげられるとなお良いです。
年表を定期的に振り返る習慣を
授業が始まってからは、定期的に年表を振り返る習慣を作ってください。
もちろん授業は時代通り順番に進んでいくのですが、苦手なお子さんほど「どの時代が、いつだったのか?」前後関係を見失いがちです。
今やっているところが、どこに位置するのか?
これまでやったことは、どのくらい前の話のなのか?
を定期的に確認できるようにしましょう。
また、授業内容(授業で使った時間)と実際の時間軸の進み方にズレがあるため、その間に何年くらいの空きがあるのか?を定期的に振り返っておくことで、歴史の理解がスムーズになります。
歴史こそ「因果関係」を
歴史において「大化の改新」という言葉を答えられないお子さんは、まずいません。
ただ、社会の成績を安定してあげるためには、
「なぜ、大化の改新が起きたのか?」
「大化の改新が起きて、どうなったのか?」
といった因果関係を追う学習が必要です。
言葉を暗記するだけでなく、誰が、なぜ、それをしたのか?
そして、その後どうなったのか?を一連で覚えることが大事です。
これにより、部分的な言葉を忘れてしまったとしても、再度説明を受ければ、他の言葉も同時に思い出せるようになるため、非常に効率のよい歴史の勉強が可能になります。
今日からできる 公民の成績を上げるために気をつけることとは?
難しい言葉を理解しやすい言葉に
公民の学習において多くのお子さんがつまずくのが、普段馴染みのない言葉です。
「公共の福祉」「生存権」といったふだん聞き慣れない言葉につまずき「公民分野は難しい」となるのです。
そのような言葉に遭遇した場合には、お子さんがふだん使う言葉に置き換えて理解さえることが大切です。
「公共の福祉」=「みんなが幸せになれる共通の利益」
「生存権」=「健康で文化的な最低限度の生活をする、みんなが持っている権利」
といった形で、親御さんがわかりやすく言い換えてあげるのも効果的です。
図版を自分でも書き起こす学習を
公民のテキストには、国民が持つ権利の種類や政治の仕組み、選挙や国会などの仕組みを表す図版が多く掲載されています。
文章による説明だけではわかりにくいところを図版で補っているわけですが、図版をそのまま覚えようとしても、なかなか頭に入ってきません。
図版と本文を照らし合わせながら理解していく学習が必要なのです。
上記を考えると、図版を見ながら「これはどういう意味なのだろう」と本文に立ち戻り、本文からわかったことを見やすく図版に書き込んでいくのが効果的です。
ただテキストの図版は小さく、そこに見やすく書き込むことが困難です。
そのため、自分でノートに大きな図版を再現しながら、見やすく注釈などを書き入れて理解してくのが遠回りのようで結果的には深い理解への近道ということになります。
親御さんの関わりが大きな効果を生むのが公民の学習
上で述べたように、社会の学習の中でも特にお子さんたちが「難しい」と感じるのが公民の学習。
その原因はふだん聞き慣れない言葉が多く出てくることだと説明しました。
またもう一つの原因として、習う内容の割に学習する期間が短いこともあげられます。
地理は4年生の1年間+5年生の前半、およそ1年半かけて学習するのです。
歴史も5年生の後半から6年生の前半にかけて、1年近くかけて学習します。
公民分野はというと、わずか3ヶ月程度ですべての学習を終える塾が多いため、そもそもハードルが高いのです。
ふだんのニュースなどからお子さんに話題を振ったり、お父さんお母さんがわかる範囲の説明をしてあげることがお子さんの学習の大きな助けになるのです。
あらかじめニュースサイトからお子さんに伝える話題をピックアップしておくなど、親御さんがしてあげられる「援護射撃」が効果を生みやすいのも公民分野の特徴です。
5. 低学年からお子さんを「社会好き」にするテクニック
4年生以降社会の学習が始まってから、社会が得意になるお子さんは、やはり低学年から色々なことを知っているお子さんが多いです。
とはいっても、特別な勉強が必要かというとそうではなく、大切なことは「色々なことに興味を持てる」ことです。
色々なことに興味を持てるお子さんは、「どうして、そうなるのか?」という「なぜ?」という思考が自然と出るお子さんです。
このように自分から「因果関係」に興味を持てるお子さんにするには、日々のお母さん・お父さんの声掛けが重要です。
食卓に並ぶ食材は地理の学びの宝庫
毎日の食卓に並ぶ野菜・魚を見て「旬」の説明をして上げる。
「どんな季節に、どこで何が取れるのか。」「一番美味しい季節は?」といったような大人でも楽しい会話を普段からしてあげるだけでも、お子さんの知的好奇心は刺激され、ゆくゆくは社会が好きになるきっかけになります。
旅行も学びの機会に
旅行に行く際には、地図をみせてあげて、「どこにいくのか?」「どんな場所なのか?」「住んでいるお家からはどれくらい離れているのか?」といったことを説明して上げましょう。
旅行で訪れた場所を、お子さんが忘れることは、ほとんどありません。
過去に訪ねた場所が、社会の勉強で出てきたときは、その都度引き合いに出してあげることで、お子さんの興味を引き立てることができます。
ニュースを見て、家族で話す習慣を作る
日々ニュースになっていることを、親子で話題にすることも大切です。
今年の天体ショーなどは、国立天文台のホームページに年間分が掲載されていますから、興味のあるものをカレンダーに転記しておくと、親子でその話題で盛り上がることもできそうです。
子ども新聞を購読し、その中から話題を探すのもよい方法ですね。
勉強を意識するのではなく、今世の中では、何が起きているのか?を、軽く親子で話し合う程度で良いです。
6. 中学受験社会の成績をあげるオススメの参考書
「予習シリーズ社会 4年〜6年」(四谷大塚)
「予習シリーズ」は、四谷大塚や早稲田アカデミーの通常授業で使われている教材ですが、生徒があらかじめ予習してから授業に臨む前提で作られています。
つまり読み物になっており「お子さんが読んで理解できる」ことを目指して作られています。
このことが、他塾に通うお子さんが自学自習用に購入するケースが多い1つの理由になっています。
5年生で学習した地方別の地理が苦手というお子さんは、同じ単元を「予習シリーズ4年」で復習してから塾の授業に臨む、という使い方をしてもいいでしょう。
「小学館学習まんが 日本の歴史」(小学館)など
歴史の学習の前段階として「全体の流れをストーリーのようにつかんでおくこと」が大切だとお話ししました。
そのための題材として最適なものの1つが「小学館学習まんが 日本の歴史」です。
まさに歴史を「ストーリー」として楽しめるためおすすめです。
同じように活用できるものに、インターネットの動画サイトなどのコンテンツもあります。
動画と音声で解説してくれるため、テキストを読んで予習するよりもあたまにはいりやすいというお子さんにはおすすめです。
まとめ:社会の成績を一気に上げるには「因果関係」の理解とストーリー性に重点を
ここまで、中学受験の社会の成績を上げる方法を、地理・歴史・公民の分野別にまとめました。
中学受験の社会には、多くの時間をかけることは現実的ではなく、限られた時間で、必要なことをしっかり覚えるという学習が求められます。
そのためには、この記事で解説したように、お子さん自身が「因果関係」を理解することで、社会を一連の「ストーリー」として楽しめるように工夫した学習が必須となります。
とはいっても、既にお分かりいただけたと思いますが、過度な繰返し学習や、勉強量を増やす必要はありません。
お子さんが、「なぜ、そうなるのか?」という背景までを授業と授業後の振り返りでしっかり理解できる学習習慣が築ければ、社会の成績は自然と上がり、お子さん自身で進んで、社会の勉強を進んでやれるようになっていきます。
ぜひ、この記事を、お子さんの社会の学習方法を見直していただける機会にしていいただけると嬉しいです。