早期教育は中学受験にNG?幼児期に親ができる大切なことは健康管理
中学受験のための勉強をするなら3年生の2月ごろから始める場合が多いのですが、最近は1年生や2年生から始まる進学塾も増えているようです。
「少しでも早く中学受験対策をしたい」と考える親御さんもいらっしゃると思うのですが、今回はそれも含め、子どもの早期教育について考えてみます。
早期教育は、早すぎるのは逆効果になることもある
私は、幼児期のなにも理解できないうちに、フラッシュカードや速読、右脳教育などの「詰め込み教育」や受験勉強の「先取り教育」をすることは、子どもによくない影響を与えることがあるのではないかと考えています。
小学2年生ぐらいまでの時期に、過剰な詰め込み教育や先取り教育をさせてしまうと、この時期に必要な読み書きの基礎が身につきません。
年齢的に、抽象的な事柄が理解できるところまで発達していないからです。
親としては、つい「人より少しでも早く始めたほうが有利なんじゃないか」と考えてしまうかもしれませんが、それは効果が薄いだけでなく、早くやらせすぎたために逆効果になってしまうこともあるのです。
小さいうちから毎日のようにさまざまな習い事に通っていると、子どもはすべてを「与えられている」状況に慣れてしまいます。
そのため、与えられるままに深く考えずに取り組むクセがついてしまいがちです。
そういう「やらされ感いっぱいの勉強」を一度経験してしまうと、勉強だけでなく、すべてのことに対して自分から「これをやってみたい」という意欲を失ってしまうことがあるのです。
無理せず、自然に、実体験を積み重ねていくことの大切さ
もし、早い時期に習い事や塾に通わせるなら、その拘束時間や通うための移動時間、宿題の量など、親が子どもの様子をしっかり見ながら調整してあげてほしいものです。
どんなに有名な塾だとしても、そこに片道1時間以上もかけて通うことにいい効果があるのかどうか、一度冷静に考えてみるべきです。
それよりも、普段の日常で、子どもが自ら楽しみや好奇心を見つけてじっくりと取り組む時間や、家族でのお出かけを通して言葉や数字などの感覚をコミュニケーションのなかで磨くことのほうが大切です。
さまざまなものを見る、聴くといった身体感覚への刺激を実体験として重ねていくことによって、子どもの「○○したい」という意欲は育まれていくのです。
親の一番のサポートは、子どもの体調管理
早期教育よりも親ができる大事なことは、子どもの体調管理です。
特に中学受験をするとなると、親のほうが、「寝る時間も削って、人の何倍も勉強しなければ合格できない」という切迫した精神状態に陥ってしまうことがあるのですが、これは大きな間違いです。
受験勉強でもっとも大切なことは、体調管理。栄養管理と睡眠時間の管理は必須です。
特に睡眠時間を削ると、さまざまな面で悪影響が出てきます。
昼間に頭がぼーっとして勉強の効率が悪くなったり、ひどいときには粗暴になったり消極的になったりします。
その結果、気持ちのバランスを崩してしまうこともあるのです。
ベストな睡眠時間というのは個人差があるので、ほかの子どもや親の子ども時代と比較するのは、あまり意味がありません。
まずは、朝起きる時間を一定にして、昼間にぼーっとしたり眠くならないような睡眠時間を確保することを意識してください。
子どもにとってベストではない状態のままでは、どんなに長時間勉強しても成績が上がるはずはありません。
睡眠時間はもちろんですが、勉強量やスケジュール、タイミングなども、子どもの体力や精神力に合わせて調整してあげましょう。