子育てで「ちゃんと」「しっかり」という言葉を使わないほうがいい理由
すべての子どもが、拒絶反応を起こすような言葉があります。
親としては何気なく使ってしまいがちな言葉の中にも、そのような言葉が実はあるのです。
今回は、子どもとのコミュニケーションにおいて、できれば使わないほうがいい言葉と、寝る前に子どもにしておくとよい声かけについて考えてみます。
抽象的すぎる「ちゃんと」「しっかり」という言葉
子どもになにかを注意するとき、つい「ちゃんとやりなさい」などと言ってしまっていないでしょうか。
この「ちゃんと」は、使わないほうがいい言葉の代表的なもので、この言葉を聞いたとたん、子どもの心のシャッターが降りてしまいがちです。
なぜなら、「ちゃんと」は叱られたり小言を言われる場面で使われることが多く、子どもは「ちゃんとしないと、叱られるんだな」ということは理解するのですが、でも実際に「ちゃんとするって、どんな風にしたらいいんだろう」と思ってしまいます。
具体的になにをどうしたらいいのかがわからないので、ただ叱られて終わってしまいます。
同じように「しっかり」も漠然とした言葉で、言われたほうは困ります。
例えば子どもが音読をしていて「もっとしっかり読みなさい」と注意されても、具体的にどこをどう読んだら「しっかり読む」ことになるのか、わからないままです。本人がしっかり読んでいるつもりなら、なおさらです。
そんなときは「ひとつひとつの言葉の意味を考えながら読めば、文の意味がもっとわかるようになるよ」というように、できるだけ具体的に伝えるように意識してみましょう。
「がんばれ」「何やってるの」も言われていい気はしない
また、「がんばれ」という言葉も、使い方によっては注意が必要です。
がんばっている子にとっては「これ以上がんばれないよ」と感じ、がんばっていない子には「あなたはがんばっていない」と指摘されて今の自分を認められていないような気持ちになってしまいます。
子どもが失敗をしたりつまずいたときに「何やってるの」と言うのも、あまりよくありません。
子どもが責められているような気分になってしまうからです。
この言葉が口をついて出てしまう親御さんの気持ちも理解できるのですが、「何やってるの」を「何かあったの?」と、心配していることを伝える言葉に変換するなど、工夫してみてください。
どの言葉も、子どもに伝える前に少し冷静になって「もし自分が同じ言葉を家族や上司からかけられたら、どんな気持ちになるか」を考えてみると、子どもの気持ちも想像できるのではないでしょうか。
夜、寝る前の声かけが、翌朝の気分を変える
また、「子どもがなかなか勉強にとりかからない」「そもそも机の前に座らせるのが一苦労」という親御さんの声をよく耳にするのですが、その場合は、その子がすぐに取りかかれそうな勉強を具体的に見つくろって、短時間の学習から無理なくスタートさせてください。
それ以外にできることとしては、勉強以前に、まずは生活サイクルを安定させることです。
特に、質のよい睡眠時間の確保は重要です。
朝、なかなか起きられない子どもでも、遠足など楽しい予定がある日は、ぱっと目覚めますよね。
大人も同じで、旅行や友達と会うなど楽しみなことがある日は目覚めがいいはずです。
朝から子どもに「早く起きなさい」「さっさとごはんを食べなさい」「出かける準備はできたの?」と小言ばかり言っていると、子どもにとって朝が楽しくないものになってしまい、「今日もまたお母さんの小言を聞かなくちゃいけない。そんな1日が始まるのか」となかなか布団から出られなくなってしまいます。