子どもの気持ちに寄り添い、受験を乗り越える「親子の絆」を育むためにしなければならないこと
中学受験の勉強に限らず、良好な親子関係を築いていく上で、子どもと同じ目線で寄り添い、声をかけてあげることはとても大切です。
ここでは、子どもの気持ちに寄り添うことについて考えてみます。
子どもの表情の変化に気づいてください
家庭教師としてたくさんのご家庭を訪問するのですが、最初は緊張でコチコチに固まっている子どもがいます。
そして難しい問題を解かせたとき、「わからないことが恥ずかしい」「解けなかったら怒られるのではないか」という意識が働いているようにも見えます。
お母さんの顔をちらちらと見る子どももいます。
そういう時、私は「間違っていいよ。これは練習なんだから。」とまず子どもの緊張をほぐすようにします。
少しでも解いてみようという意欲が感じられたら「いいね。なにか書いてみて、そこから考えてみようか」と、子どもの言動を認め、ほんのちょっとしたことをほめます。
そのことで緊張していた顔がほぐれてうれしそうな顔になるお子さんも多いのです。
このような私と子どものやり取りを通して、子どもの表情の変化をお母さんやお父さんに気づいてほしいと思っています。
教育熱心な親御さんほど、子どもの表情の変化に気づかない傾向があるように思います。
「こうあるべきだ」という理想のイメージが強すぎて、目の前の子どもの変化をそのまま受け入れることができないのかもしれません。
視野を広げておおらかな気持ちで
勉強が「できる」「できない」、成績が「よい」「よくない」、中学受験に「合格する」「合格しない」など、ものごとを二者択一で考えてしまうと視野が狭まり、心の余裕をなくしてしまいます。
「合格できる」と「合格できない」の間には広いグレーゾンがあり、そのなかでお子さんがどのへんにいて、よい方向に向かっているのか、そうではないかなどをみつめられるおおらかな気持ちが必要です。
この心の余裕がないと、子どもにきつくあたったりして、知らないうちに萎縮させてしまいます。
そうすると「こんなはずじゃない」とさらに親の視野が狭くなる、という悪循環に陥ってしまいます。
子どもがやっていることを認め、それをほめたりねぎらったりすることで、親子の新しい関係をつくっていきましょう。
親が変わることで、子どもの表情にも変化が現れます。
親が変わればきっと、緊張していた子どもの顔にも笑顔が広がるでしょう。
上から目線で「教える」のではなく、同じ目線で「寄り添う」
小学校高学年、特に6年生の受験前の時期になると、ゆっくり向き合う時間も精神敵余裕もなくなってしまいます。
そんな厳しい時期を一緒に乗り越えるためにも、低学年のうちにぜひ子どもとたっぷり向き合う時間をつくってください。
同じ目線から声をかけ、子どもの気持ちに寄り添う。
そんな時間を蓄積することで、辛い受験直前の時期を一緒に乗り越えられる「親子の絆」が深まっていくのだろうと思います。