中学受験と子どもの性格 受験に向き不向きはある?どうやって活かせばいい?
中学受験を目指すにあたり、「うちの子の性格で約3年間、目標に向かってがんばることが出来るのか」ということを不安に思ったというお母さんは数多くいらっしゃいます。
今回は、中学受験と子どもの性格についてお話しします。
お子さんの短所は、とらえようによっては長所!?
中学受験に、向き不向きは基本的にありません。
お子さんの性格をうまく勉強に活かしていくことが、中学受験を成功に導くコツであるといってもよいと思います。
お子さん1人1人、得意不得意があり、勉強するときのスピード、集中できる時間の長さや興味の対象も違います。
今、お子さんの性格の中で「短所」であると感じる部分が、中学受験の勉強において長所として活かせるケースは、実はたくさんあります。
お子さんの性格、特性を良い方向に最大限に活かしていきたいですね。
短所を長所に「反転」させるのには声かけがポイント
- マイペースでのんびりした性格だから、受験に向いていないかも・・・
- 集中力が続かないから、長時間の勉強は無理?
このようなお悩み、ご相談を、日々たくさんいただきます。
また、実際にお子さんの様子を見せていただいた上でのご相談も、日常的にお受けしています。
その上で言えるのは、お母さんがお子さんの短所だと思っている点を、前向きに捉えていくことで、中学受験に活かす方法はたくさんあるということです。
例えばマイペースなお子さんであれば、学習に時間がかかりすぎと感じられると思います。
しかし、実際の難関校の入試問題では、機転が利くだけではなんともならない、じっくり熟考しなければ対応できない問題が多く出題されます。
そのような問題に対応するためには「スピーディーな学習」だけでなく、意識的に「スローな学習」を採り入れる必要があるのです。
じっくり時間をかけて慎重に取り組む学習姿勢が活かせるわけです。
とはいえ、テストには制限時間があり、一問に時間をかけすぎては解けない問題が多くなる、といった不都合はあります。
そんな時は、毎日の習慣とお母さんの協力で、少しずつスピードアップを図っていきましょう。
一問に時間制限をつけて取りかかりつつ、速さだけではなく、お子さんの持っている丁寧な学習法は大切に守ることを意識しましょう。
集中力が長時間続かないということが気になる場合には、逆に短時間でどれくらい集中、熟考できるかにチャレンジするなど、ネガティブな要素をポジティブに活かす方法があります。
だらだら長時間同じことを勉強するのではなく、時間を区切って短時間でいろいろなメニューをこなすスケジュールを組むなど、親御さんが工夫してもよいですね。
長所が、コントロール次第で伸び悩みの原因になることも
逆に、長所だと思うことが、時として学習の伸び悩みにつながることがあります。
勘が鋭い、要領がいいお子さんはテキパキと学習でき、それはそれでいいことです。
しかし、学年が上がるにつれて問題の内容は複雑になってきます。
質問をしっかり読まないで、意図を予想して解いていくような取り組み方では、正解までたどり着けない問題が多くなるのです。
低学年までは、そういったやり方でもうまくいくこともありますが、近年ますます「問題文を読んで問われている内容をしっかり理解できるか」「出題者の意図を正確に読み取るか」が求められており(実際、国語以外の科目、算数や理科においても、問題文の長文化が近年顕著です)、機転や勘だけでは乗り切れなくなってきているのです。
要領がよく機転が利くタイプのお子さんは、意識的に「スローな学習」「問題文を最後まで読む練習」などを日常の勉強に採り入れるとよいでしょう。
お子さんの長所や短所に見える部分は、すべて個性であり特性です。
どんなことも、とらえ方や導き方次第で魅力を増し、力になります。
お子さんの個性を、力として伸ばしてあげられるいちばんの理解者は親御さん自身です。
中学受験の勉強は過酷であるぶん、お子さんの新しい一面を発見するよい機会にもなります。
- 「これに興味があるんだ」
- 「意外と負けず嫌いなのね」
- 「こんな粘り強い一面があったんだ」
そんなたくさんの発見、お子さんの変化と成長を楽しみながら取り組めるといいですね。