【中学受験国語】長文読解が全然わからない時の対処法
中学入試の国語の素材文は中高生レベル
中学受験の国語では 小学生向け というより、どちらかというと中高生向きくらいのレベルの素材文が出題されます。
中学受験を経験した小学生が進学し、中学校や高校の国語の教科書に出てきた文を「どこかで読んだことがある」と感じたとこと、実は中学受験の勉強で読んだ文だったということは、よくあることです。
このような難度の高い文章をしっかり理解するために、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
そもそも対象年齢が小学生よりも高い文章 なので、スラスラと読み進められない可能性が高いのは言うまでもないことです。
「全然わからない」
「読んでいるうちに何が書いてあるのかわからなくなってきた」
お子さんがこのように 言い始めるのも、ある意味無理のないことです。
しかし、このような場合に親としては迷いが生じますね。
「わからないまま放置するわけにはいかないので、教えた方がいいのではないか」
あるいは
「自分でなんとか読ませないと力がつかないのではないか」
このような迷いです。
子どもが「わからない」ときの親の声かけ法
このようにお子さんが 読解において「 わからない」と言い始めた時に、親として使える声かけをぜひ知っておいていただきたいと思います。
それは次の3つです。
「どの段落からわからなくなったの?」
「どの文がわからないの?」
「その文の、どの表現がわからないの?」
お子さんが素材文を読んでいて「 わからない」と言い出した時、多くのケースは上記の問いかけで解決できるのです。
実際の声かけ例として、ある問題の素材文をお子さんが読んで「 わからない」と言い始めた時の親子のやり取りをあげてみます。
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お子さん「読んでも全然わからないよ」
お母さん「どの段落からわからなくなった?」
お子さん「どの段落っていうか・・・ 全体的にわからない」
お母さん「第一段落からわからないってこと?」
お子さん「ううん、いや、第一段落はわかる」
お母さん「じゃあ段落を順番に見ていって、どの段落からわからなくなったか教えて」
お子さん「 『○○○○○○○○○○』からの段落がわからない」
お母さん「その段落の中のどの文章がわからない?」
お子さん「どの文章ってことじゃなくて、なんとなくわからないよ」
お母さん「この段落には文章が3つあるよね。そのうちどの文かわからないのかな?」
お子さん「えっと、2つ目の文がわからない。」
お母さん「その文の中のどの表現がわからないのか 教えて」
お子さん「『○○○○○○○○○○』 というところがよくわからない」
お母さん「今読んでみたらどう? まだわからない?」
お子さん「あれ? 今はわかる」
お母さん「でしょ?」
このようなやり取りを経て、親御さんが投げかけた「どの表現がわからないの?」 という声かけに対して、実は一番多い返答が「あれ?今はわかる」なのです。
なぜこれだけでわかるようになるのか
集中して読んでいたはずなのですが、あらためて親御さんに促されて読んでみると「わからない」と思っていた文章が急に理解できる。
このようなケースは非常に多いのです。
お子さんがいい加減に読んでいたのかというと、決してそんなことはありません。
むしろこの状況は、お子さんが一生懸命 読んでいたからこそ起こることです。
実は、お子さんが読み進めているうちに「最後まで読む」ということが目的になってしまい、内容を理解するということが後回しになってしまっているのです。
中学入試に出題される素材文では、ざっと読み流すだけで理解できる部文もあれば、指示語の内容を一つ一つ丁寧に確認しながら読まないと内容がつかめない部文が、混在しているものが選ばれているからです。
テストでは「制限時間内に 早く読まないと」と考えていたり、宿題をする時には「時間がないから早く宿題を終わらせなきゃ」といったことを気にしながら取り組んでいるために、難解な部分も易しい部分も同じようなリズムで読んでしまいがちなのです。
難しい部分は落ち着いてじっくり、易しい部文はスピーディーに読むことを心掛ければ、「 読んでいるうちに わからなくなった」ということは起こりにくいのです。
ここでご紹介した問いかけを有効に使っていただき、「形だけの読解」 から「内容を掴む読解」へと 切り替える働きかけを、ぜひお子さんにしてみてくださいね。