中学受験をさせる意味とは。子どもの財産になるその経験について
お子さんに中学受験をさせることについて、なぜそうしようと思ったのか考えたことがあるでしょうか。
小学生のうちから長時間受験勉強をさせるのはかわいそうだと考えるなら、今のうちにやめておいたほうがいいかもしれません。
今回は中学受験をするにあたって親子ともにしておく「覚悟」と、中学受験を経験することによってどのようなメリットがあるのかについて考えてみます。
中学受験の目的は、子どもの可能性を広げるため
中学受験をしてレベルの高い学校に入ることの目的について、改めて考えてみたことがあるでしょうか。
「いい大学に入るため」という理由もひとつあるかもしれません。
でもそれだけではないと思います。
もちろん、レベルの高い中学校に入って高度な学習を続けたら、結果的にはいい大学に入学できる確率も高くなるでしょう。
でも、それだけではなく、質の高い学習ができる環境で身につけた知識や考え方は、子どもの可能性を大きく広げてくれるのではないでしょうか。
また、受験勉強の過程でも学習の進め方はもちろんのこと、ひとつの目標に向かって進んでいくことで、人間として成長できるでしょう。
しっかりとした知識や思考法を知ることは、その後の人生にも大いに役に立つと思います。
中学受験は厳しいものです。入試問題の難しさや塾の大変さを乗り越えるためには「まだ小学生なのにこんなに勉強ばかりさせるのはかわいそう」というような気持ちではついていけなくなるでしょう。
親にとっても子どもにとっても「覚悟」が必要です。
「あとで楽をさせたいから付属中に」という考えの危険性
高校、大学受験をしなくてもいいという理由で子どもを大学の付属中に入学させたいと考える親御さんもいるようです。
たとえばスポーツに集中したい場合などは、付属中学校はいいかもしれません。
しかし、そうではない場合入学したとたんに勉強をやめてしまう子も少なくないということを知っておいてください。
特に「付属ならどこでもいい」という考えで入学してしまった場合、お子さんの勉強へのモチベーションが上がらず中学・高校の学力が伸び悩むことになりかねません。
そうなると大学生活や社会に出てから苦労することになるので、目的意識をしっかりと持っておくことが大切です。
将来、難関国公立大学に入りたい場合
ほとんどの私立中高一貫校では、高校3年生の1年間を大学受験の勉強にあってられるカリキュラムになっています。
また、中学受験のときにやってきた勉強を、その後の大学受験勉強にも活かすことができます。
目標に向かって計画的に学習を進めていくことだけでなく、集中力の保ち方やモチベーションの上げ方、問題文を精読する力、自分のミスをチェックする力などは、一度身につけたら高校受験や大学受験でも役立つものです。
将来、どうしても入りたい大学があるなら、大学受験のときだけ集中してやればいい、または一浪してでも入ればいい、という考え方もありますが、一方で難関国公立大学の合格者は、上位の私立中高一貫校出身者が多くの割合を占めているという事実もあります。
また、近年中にセンター試験に代わって施行される予定の「共通テスト」においても、中学受験で取り組んだ学習習慣が有利にはたらくことが予想されています。
なんのために中学受験をするのか
中学受験は子どもだけでなく親にとっても大きな挑戦になります。
親子でしっかりとその目的について考えておくことが大切です。
いい大学に入りたい、あとで楽をしたい、という理由だけではなく、中学受験の過程で身につけられることがたくさんあること、それが子どもの将来の財産になることを知り、目的を再確認してみるといいと思います。