4年生の社会の学習のコツ。全体を把握し、点ではなく「つながり」で覚えよう
「理科と社会は5年生からでも間に合う」という考えは大きな間違いで、実は中学入試のためには4年生のうちからの準備がとても大切になってきます。
今回の記事では、社会の学習の進め方のコツについてお伝えします。
全体を「ストーリー的に」学ぶ
社会の場合、4年生の段階で「人々の生活は、地理的条件、気象条件のもとに成り立っている」という基本的な概念を知っておく必要があります。
それが基礎になり、5年生、6年生での知識が積み上げられ入試問題として出てくるからです。
たとえば「盆地の生活」なら、盆地における生活の特徴や、人々が営む文化や農産物などにどう影響しているかなどをストーリー的に学ぶことで、単なる知識の羅列ではなく、実感を伴った知識として身につきます。
5年生以降になり社会の成績が伸び悩む場合、4年生の段階の学習が抜け落ちているケースが多いのです。
言葉はよく覚えているのに点数が悪い場合は、一度4年生のテキストを読み直してみましょう。
最初に説明文を2度通読し、3回目で重要なところに線を引く、ということを実践してみてください。
四谷大塚の『予習シリーズ』で楽しく読む
特に、お子さんが日能研に通っていて社会の成績に悩んでいる場合は、四谷大塚の『予習シリーズ』を読んでみることをおすすめします。
この『予習シリーズ』の社会は、フルカラーで物語性があり、読んでいて楽しいよう工夫されています。
まずは楽しく全体を把握し、その中で出てくる言葉を覚えるとぐっと効率がよくなるので、ぜひ読んでみてください。
日能研のテキストもとてもていねいに作られているのですが、印刷がモノクロということもあり、楽しさを感じにくいお子さんもいるようです。
社会は全体を「ストーリー的」に把握することがとても大切なので、お子さんに合ったテキストを見つけてあげられたらよいですね。
「点」ではなく「つながり」で覚えよう
社会の学習で「地図」というと、かつては地名や県庁所在地、川や山の名前などを暗記することが求められました。
白地図の空欄を埋めたり、暗記した知識を問う問題が多かったのです。
でも現在は項目同士のつながりを理解していないと解けない問題が増えてきています。
たとえば、ただ川の名前を問うのではなく、「この地域にこの川とこの山がこうした位置関係にあることから、どんな産物が多いと考えられるか」といったような問題です。
社会の難問を解くためには「問題が、どの分野について問ういているのか」を把握する力が必要です。
設問で天候、地勢、産物、地図などが示されている場合でも、求められている解答が酪農なのか穀物生産なのかなど、「全体として何に関する問題なのか」を考えなければいけません。
ですから、学習の段階で重要な単語を丸暗記するだけではなく、そこから何を読み取れるかという視点で捉える必要があります。
「この地域でこの農産物の収穫量が多いのはなぜか」といった理由を理解しながら覚えていくと記憶も定着しやすく、もし覚えていない農産物について問われる問題が出てきても、落ち着いて類推し総合的に考えて解答を導き出すことができます。
ストーリーとして捉えることで「つながり」が見えてくる
社会の学習は、4年生と5年生ではその「質」に大きな違いがあります。
4年生段階で全体をストーリーとして捉え、「地理や気象条件のもとに生活が成り立っている」という概念を身につけ、その基盤の上に5年生、6年生で習う知識を積み上げていきましょう。