難関校の国語の入試問題の素材文は大学入試レベル。理科と社会も暗記では手に負えない
難関校の入試問題は、大人にとっても難しいものも多く出題されます。具体的にどのような問題なのでしょうか。
今回は難関校の国語と、理科・社会の入試問題について解説させていただきます。
国語の素材文は近年急激に難しくなっている
難関校の国語の入試問題は、ここ5年でますます難しくなってきています。
たとえば女子御三家のひとつ、桜蔭中学の国語では「虚構の美とはなにか」「物質の堅牢性のなかに記憶の継承の保証を求めた」といった、とても抽象度の高い表現を含む文章が取り上げられています(高階秀爾『日本美術を見る眼』より出題)。
こうした表現を含む文章で、20年ごとに建て替えられる伊勢神宮とヨーロッパの石像などのモニュメントの違いやその思想的な背景が述べられており、まるで大学入試問題のような印象を受けるほどです。
実際に大学入試と同じ素材文が中学入試でも使われることがあり、しかも解答は記述式が多いので、大人でも解けないのではないでしょうか。
難関校の国語の入試問題は記述が中心
難関校の国語では、抽象的な表現の文章だけでなく、子どもの普段の生活や経験の範囲からは想像しにくい、古い時間を描いたものが出題されることもあります。
また、「普段出会うことが少ない登場人物が出てくる文章」も出てきます。たとえば、主人公の母親が過去に離婚して再婚し、義理のお父さんがいるといったシチュエーションです。
同じような経験をしている子なら別ですが、そうでなければ「義父」や「義父を持った主人公の気持ち」を想像するのは難しいかもしれません。
そのため、経験から想像するのではなく、素材文の内容を論理的に考えて想像し、感情を類推することが求められます。
さらにそれを記述式で限られた時間内に書くことは容易ではないでしょう。
記述中心なのは、桜蔭中学のほか麻布中学、開成中学、武蔵中学、雙葉中学。渋谷教育学園幕張中学、海城中学なども記述が多いです。
理科と社会は暗記も論理的な思考力も必要
理科と社会の入試問題も、かなりの部分で暗記が必要になりますが、暗記だけでは対応できません。
それだけでは解けない問題が多いです。社会に関しては、丸暗記で偏差値55程度まではいけますが、それ以上のレベルでは手に負えないでしょう。
たとえば、豚、鳥、牛などの話が出てきた場合には、それが畜産業についての設問であることをすぐに理解しなければ、何に関する問題なのかがさっぱりわかりません。
社会で必要なのは「カテゴリ分け」の能力です。
理科についても、偏差値50以上の中学の場合、小学校の授業や参考書の独学、親の指導だけで合格点に到達するのは、かなり困難です。
中学受験に塾は必須
塾に行かなくてもなんとかなるのでは、と考える親御さんもいますが、やはり独学で中学受験に挑戦するのは、かなり難しいでしょう。
例えばどんなに読書が好きでたくさん本を読んでいても、残念ながらそれは中学受験に直接は役に立ちません。
中学受験専門の塾や個別指導などに行かれることをおすすめします。