5年生は直感だけに頼らない理解のともなった暗記を
5年生以降に成績が伸びないことにお悩みのお子さんや親御さんが多いようです。
その原因のひとつとして、4年生から5年生になると勉強の質が大きく変わるということがあります。
それにうまく対応していくための、効果的な学習法について考えてみます。
カンだけに頼ると5年生で成績が下がる
たとえば算数なら、4年生のうちは塾でも基礎訓練の延長であることが多いので、図を見て「直角に見える」「ふたつの辺の長さは同じぐらい」など、直感だけで解けてしまうことがあるようです。
計算にしても、式を書かずにざっと暗算して解く子もいますが、これができるのは4年生まで。5年生になると子どもの直感をあえて裏切るような問題が増えてくるので、それまでカンに頼って解いていた子は対応できなくなります。
まずAという答えを出し、つぎにBを解き、AとBを使ってCという解答を出すような複雑な問題では、暗算で解くと必ず途中でミスをするので解けなくなってしまうのです。
「終わればいい」のではなく「ていねいにやること」が大事
問題を解くときだけでなく、復習やテスト直し、宿題などすべてにいえることですが、「とにかく問題を解けばいい」「とにかく宿題を終わらせたらいい」のではなく、そのやり方や過程が大切だということを子どもに伝えてあげましょう。
ノートや答案になにが書いてあるのかわからないぐらい汚い字で書く子がいますが、もしそれに気づいたら、できるだけ早い段階で勉強時間や分量を減らしてでも、字をていねいに書く習慣をつけさせてあげてください。
逆に、ノートをていねいに書きすぎる子もいますが、授業中に先生の話よりノートをきれいにとることに集中している場合もあるので注意が必要です。
よくお子さんの学習の様子を観察して、「ていねいにやる」ことを指導してあげましょう。
丸暗記より、理解してから暗記する習慣を
理科や社会は暗記するべきことが多い科目ですが、すべてを丸暗記しようとしても、分量が多すぎて覚えきることができません。
ただ名前や数字を覚えるだけでなく、たとえば歴史ならその前後の流れを理解してから覚えましょう。
もし正確な年号を覚えていなくても、歴史の流れを理解しておけば「明治維新」と「廃藩置県」のどちらが先かなどはすぐにわかります。
国語でも、漢字や熟語をただひたすら覚えるのではなく、漢字の意味や「へん」と「つくり」が持つ意味を理解してから覚えると、ある程度類推できるので覚えやすくなります。
記憶力には個人差がありますが、理解して覚えたものは忘れにくく、また覚える速さや分量を増やすことにつながります。
学習の効率を上げるためにも、ぜひ理解から入る暗記を意識させてあげてください。
定期的に学習法を見直そう
問題を解くときに直感だけに頼ったり、ただ丸暗記する学習方法では、5年生以降、成績が伸び悩むことがあります。定期的にお子さんの学習法を見直して、必要なら軌道修正してあげることが必要です。また「ていねいにやること」はできるだけ早い段階で身につけさせてあげるといいですね。