夏休み 理科の知識のつけ方を身につけよう
夏休み、ぜひやっておきたいのが理科の暗記です。やみくもに語句の名前を覚えればいいというものでもありませんが、少なくとも「暗記は直前期に詰め込めば大丈夫」というようなことは信じないようにしたいものです。
ここでは、理科の知識のつけ方についてお話ししたいと思います。
単なる暗記では入試は乗り切れない
2020年の教育改革がアナウンスされ、受け身の学習でなく自発的、能動的な学びの大切さが謳われています。
また「思考力・判断力・表現力」の重要性も、これまで以上に大きなものになってきています。
そんな中、「単に語句を覚えていればできる」という問題を出題する学校は減ってきており、難関校に限らず「思考型」問題、記述形式の解答などを求める出題が増えています。
つまり「一問一答型」の勉強では対応できない問題が多くなっているのです。
これは教育改革のあるなしに関係なく、近年の中学受験の傾向ともいえることです。
では、知識はなくても思考力、判断力、表現力があればいいのかというと、そんなことはありません。
知識がなければそもそも「考える」ということが成り立ちません。
持っている知識を組み合わせ、そこから考えるといったことが要求されているのです。
それには、バランスよく学び、自分なりに上手に知識をつけていく方法をお子さんが身につけておく必要があるのです。
知識のつけ方の「型」を身につける
塾それぞれに「暗記テキスト」というものが存在します。
サピックスなら「コアプラス」、四谷大塚なら「4科のまとめ」といったものです。
書き込み式の「サブノート」形式になっていたり、一問一答形式であったり、形式はさまざまですが、大切なのは使い方です。
「上から順に答えを覚える」といった使い方が最ももったいない使い方ですが、日々大量の宿題に追われていると、実際上記のような勉強に近い状態になっていってしまうことがあります。
大切なのは、自分なりに「知識のつけ方」を身に着けておくことです。
私がよくおすすめしているのは、因果関係に注目して覚えること。
「◯◯だから□□」のように理由とセットで覚えることです。
ものの名前なら、名前の由来とセットで。別に由来は俗説でもいいのです。知識の手がかりになることとセットで覚えると、覚えやすく忘れにくいからです。
「夜に花が咲く(=夜を待っている)からマツヨイグサ」
「カエルの手に葉っぱが似ているからカエデ」
といった具合です。
こういった情報がたくさん載っている書籍などを探してみるのもいいかもしれませんね。
親が手伝ってあげられること
塾の先生もたまにやってしまいがちなのが「◯ページから◯ページまで覚えてくる」という宿題を出すこと。
この指示のしかたでは、冒頭に述べた「上から順に答えを覚える」という学習になってしまうお子さんが多数出ます。
家庭での指示も同じです。
「ちゃんと覚えなさい」では文字通り「答えを覚える」ということに走ってしまいがちです(それでも覚えないよりはマシ、という考え方もあるかもしれませんが…)。
大人が手伝ってあげられることがあるとすれば、どんなことでしょうか。
たとえば、デンプンが分解され糖分になったあと、小腸から肝門脈を通って肝臓にたくわえられるとき「グリコーゲン」という物質に変えられます。
この「グリコーゲン」という名前、お菓子メーカーの「グリコ」と関係があるのでは?と思いませんか?
調べてみると、やっぱり「グリコ」の名前はグリコーゲンに由来しているのです。
このようなネタは身の回りにたくさん転がっています。
いろいろなものの名前の由来は「◯◯ 名前 由来」といった検索で調べることができます。
お子さんの暗記のサポートとして、また純粋に親の興味を満たす行為としての「由来検索」はなかなか楽しいものです。
夏休みに限らずですが「納得ずくの暗記」をキーワードに、ぜひ知識をつけさせてあげてください。