抜毛症って何?受験生もなる場合がある?
中学受験の勉強期間は、ときに大きなプレッシャーや不安を感じることもあります。
約3年の間、志望校合格に向けて努力し続ける中で、つまずいたり、努力が結果に現れないこともあるでしょう。
ストレスなどから、”抜毛症”に悩まされるお子さんもいます。
今回は、中学受験生における抜毛症の予防と対応についてお話しします。
抜毛症とは?
抜毛症とは、脱毛症とは異なり、自分で毛を抜いてしまう症状のことです。
実は、中学受験を目指すお子さんには意外と多い症状なのです。
勉強中などに毛を抜いていたり、やめたくても癖になってなかなかやめられなかったり、親御さんが気付いた頃にはとても大きな範囲の毛がなくなっている場合があるのです。
なぜ毛を抜いてしまうのか、まだ完全には解明されていないようですが、理由は様々考えられます。
- 不安やプレッシャーによるもの
- 快感や落ち着きを感じる
- 退屈だから
- セロトニンの不足から
など。
不安やプレッシャーから気持ちを落ち着かせるためにけを抜いてしまう、ただなんとなく抜きはじめて気がついたら癖になっている、そしてあまり耳にしない”セロトニン”の不足などが指摘されています。
原因やきっかけは何なのでしょうか。
セロトニンとは?
セロトニンとは、脳内で情報をやり取りする時に使われる「神経伝達物質」の1つです。
神経伝達物質の中でも重要な役割を果たすもので、ノルアドレナリン、ドーパミンと並んで「三大神経伝達物質」とも呼ばれています。
怒りや興奮といった感情に関係するノルアドレナリンや、意欲や好奇心などの感情に関わるドーパミンという物質の暴走を抑えて、心のバランスを保ってくれ、精神を安定させる役割をしているのがセロトニンです。
セロトニンが不足すると、良い睡眠が取れなくなったり、感情がわかなくなったり、感情をコントロールできなくなることもあります。
セロトニンを増やすためには、太陽の光を浴びたり、適度な運動や、親子のスキンシップや団欒の時間も有効です。
食事をゆっくり噛むことも良いようです。
家族での食事の時間をゆっくり取り、会話を楽しみながら、お子さんの心も満たしてあげたいですね。
受験直前期だけじゃない
“抜毛症”に悩まされるお子さんは、受験直前期に多いと思われがちですが、中学受験の勉強を始めたばかりのお子さんにも症状が出る場合もあります。
慣れない環境で、戸惑いや不安から”抜毛症”になることがあるのです。
お子さん自身はもちろん、親御さんも、そんなお子さんを見て心配でいたたまれない気持ちになります。
しかし、抜毛症と考えられるお子さんに「毛を抜いてはダメ」と言っても、あまり効果はありません。
お子さん自身も抜いてはいけないと思っていたり、無意識の場合もあるからです。
親御さんが原因となる場合もありますが、自身を責めるのもやめましょう。
では、どのように対処すればいいのか。
適度な監視は必要になりますが、監視していると感じさせないようにしましょう。
気軽に相談しやすい環境を作ってあげたいですね。
そして、親御さんの愛情をたくさん感じさせてあげてください。
もちろん、お医者さんを受診することも検討しましょう。
家族には気づかなかった原因を指摘してもらえることもあるでしょう。
私の担当した中にも、過去に抜毛症になったお子さんはいました。
抜毛症になっても、親が落ち着いて環境を見直し、整えることで乗り切っていけます。
特別なことがなくても、プレッシャーがかかる局面があるのが中学受験。
ふだんから、余計なストレスを与えない環境を整えることも重要ですね。