2022年中学受験の問題から見える、2023年への対策とは
今回の動画では、2022年の主要な中学校の理科の入試問題の傾向を、お話ししたいと思います。
また、2023年に向けてどのような勉強を心がけたらよいかもお話しします
「一問一答」の知識だけに頼らない
近年の難関中学校の入試問題には「 一問一答」 的な知識だけでは対応できません。
セミナーや講演会、取材などで 「もう一問一答的な問題は出ないと思ってください」とよくお話ししているのですが、現実問題として「全く出ない」ということはありません。
動画では早稲田中の大問1を紹介していますが「一問一答」の知識だけでできる問題が1問出ています。
逆に言えばその1問以外は全て知識の組み合わせや思考に関する問題であり、知っている言葉を答えるだけで点がもらえる問題は、やはりほとんどないと考えていいでしょう。
多くのお子さんは、お通いの塾で暗記に関するテキストを一冊持たされていると思います。その知識はあくまでも「前提」であり、それらを使って組み合わせたり、因果関係などを考えて問題を解くことが必要だということです。
「初見の問題」に対応できる力を目指そう
塾の大きなテストでも同じだと思いますが、入学試験では「塾のテキストに載っていない問題」がよく出題されます。
その代表的なものが、対話文に関する出題です。
先生と生徒、親と子どもが会話する中で、様々な疑問について話し、考えるということが テーマになっている問題です。
このような問題では、対話の中で子どもたちが初めて聞くことがらについても詳しく説明され、対話の内容から考えていくと問題が解けるように作られています。
やはり、知っていることをそのまま答えるのではなく、与えられたテーマや条件などを考えながら問題の意図を読み取り、持っている知識から類推するなどして答えられるように、日頃から練習しておく必要があります。
入試問題は中学校の「第1回目の授業」
このこともよくいろんなところでお話ししているのですが、入試を受けて、いざその学校に入学すると、その問題を作った先生方に習うことになります。
入学の前にその学校の入試問題を解くということは、その先生たちが与えたテーマについて考えを進めていくということです。
問題を読み、与えられた条件について考えながら手を動かして作業をしながら「なぜこのような作業をしているのだろう」と解き進めていく状況は、まさに授業を受けているときとよく似ています。
つまりその学校の先生は、入試問題というテーマを通して「うちの学校に入学したらこんな授業が待っているよ」というメッセージを送ってくれているのです。
特に 上記の対話文の問題のような「初見の問題」を解く時は「その学校の先生に教わっているような気持ち」で解くようにするといいですね。
もちろんそのためには、ベースとなる知識や考える力が必要になりますから、普段の学習から「塾で習っている知識は、入試問題で活かすためのベース」という気持ちで取り組んでいくとよいと思います。
来年の入試に向け、そのような力をつけていきましょう。