
第780回 共学中の入試問題 立体図形 2
「第780回 共学中の入試問題 立体図形 2」
前回から、近年に共学中の入試で出された「立体図形」の問題を取り扱っています。
今回は「回転体」について考えていきます。
早速、1問目から見ていきましょう。
【問題】図は一辺の長さが1㎝の正方形のマスでできた図形です。図形の斜線部分を直線のまわりに一回転してできる立体の体積を求めなさい。円周率が必要な場合は、3.14で計算してください。

(芝浦工業大学附属中学校 第1回 2025年 問題3-(5) 問題文一部変更)
【考え方】
次の【例】のように、回転させる図形を回転の軸を対称の軸として線対称移動させ、元の図形と対応する頂点をなめらかに結ぶと、見取り図をかくことができます。

さらに、この問題では、次のように「図形を回転の軸に対して垂直に切り分け、それぞれを直線のまわりに1回転させる」という工夫ができます。

問題の図形を1回転させると、立体(ア)、(イ)、(ウ)がそれぞれ2個、立体(エ)が1個できます。
2㎝×2㎝×3.14×1㎝=4㎤×3.14 … 立体(ア)の体積
(3㎝×3㎝×3.14-1㎝×1㎝×3.14)×1㎝=8㎤×3.14 … 立体(イ)の体積
(4㎝×4㎝×3.14-2㎝×2㎝×3.14)×1㎝=12㎤×3.14 … 立体(ウ)の体積
(5㎝×5㎝×3.14-3㎝×3㎝×3.14)×1㎝=16㎤×3.14 … 立体(エ)の体積
よって、できる立体の体積は
(4㎤×2+8㎤×2+12㎤×2+16㎤)×3.14=200.96㎤
です。
答え 200.96㎤
本問は、回転体の見取り図のかき方を確認できる問題です。
工夫をすることで、組み合わさっている立体の形を考えやすくなります。
続けて、2問目です。
【問題】次の[ ]にあてはまる数を答えなさい。
下の図のような五角形を直線ℓを軸に1回転させたときにできる立体の体積は[ ]㎤です。ただし、円周率は3.14とします。また、円すいの体積は「(底面積)×(高さ)÷3」で求められることを使ってもかまいません。

(栄東中学校 A日程 2025年 問題1-(8) 問題文一部変更)
【考え方】
五角形と線対称な図形をかき、対応する頂点をなめらかに結びます。

見取り図から、できた立体が円柱(大)から円すい台と円柱(小)を取り除いたものとわかります。

9㎝×9㎝×3.14×6㎝=486㎤×3.14 … 円柱(大)の体積
円すい台の体積は相似な大小の円すいの体積の差として求めます。

6㎝×6㎝×3.14×6㎝÷3-3㎝×3㎝×3.14×3㎝÷3=63㎤×3.14 … 円すい台の体積
3㎝×3㎝×3.14×3㎝=27㎤×3.14 … 円柱(小)の体積
よって、できた立体の体積は
(486㎤-63㎤-27㎤)×3.14=1243.44㎤
です。
答え 1243.44㎤
本問は、回転体の見取り図のかき方と円すい台の体積の求め方を確認できる問題です。
見取り図を利用して、円すい台の体積を正確に求めましょう。
3問目も体積を求める問題です。
【問題】下の図形をlを軸に1回転させたときにできる立体の体積を求めなさい。ただし、円すいの体積は(底面積)×(高さ)×1/3で求めることができます。また、円周率は3.14として計算してください。

(広尾学園小石川中学校 第1回 2025年 問題2-(2) 問題文一部変更)
【考え方】
「K」と線対称な図形をかきたすと、次の図の赤色部分が回転する図形とわかります。

そこで、1問目と同じように、図形を回転の軸に対して垂直に切り分け、それぞれを直線のまわりに1回転させると、上から円すい台、円柱、円すい台になります。

円すい台の体積は、相似な大小の円すいの体積の差として求めます。

8㎝×8㎝×3.14×(4㎝×2)÷3-4㎝×4㎝×3.14×4㎝÷3=448/3㎤×3.14 … 上側の円すい台の体積
4㎝×4㎝×3.14×4㎝=64㎤×3.14 … 中央部の円柱の体積
6㎝×6㎝×3.14×(2㎝×3)÷3-4㎝×4㎝×3.14×(2㎝×2)÷3=152/3㎤×3.14 … 下側の円すい台の体積
(448/3㎤+64㎤+152/3㎤)×3.14=828.96㎤
答え 828.96㎤
本問は、1問目で行った工夫と2問目の円すい台の考え方を利用できる問題です。
もし、正解できないようでしたら、1、2問目に戻って考えかたを確認してみましょう。
最後は表面積の問題です。
【問題】次の[ ]に適当な数を入れなさい。
図のように、正方形と台形を組み合わせました。直線ABを軸として、この図形を1回転させてできる立体の表面積は[ア].[イ]㎠です。ただし。円周率は3.14とします。

(慶應義塾中等部 2026年 問題3-(4) 問題文一部変更)
【考え方】
回転させる図形と線対称な図形をかきたし、対応する点をなめらかに結んで見取り図を作ります。

見取り図から、できる立体の表面積は次のような図形式で求められることがわかります。

7㎝×7㎝×3.14×2-4㎝×4㎝×3.14=82㎠×3.14 … 円柱の底面積
7㎝×2×3.14×7㎝=98㎠×3.14 … 円柱の側面積
7㎝×7㎝×3.14=49㎠×3.14 … 円すい台の底面積
円すい台の側面積は、相似な大小の円すいの側面積の差として求められます。

赤線の三角形と水色の三角形の相似比は
7㎝:4㎝=7:4
ですから、その差の3が10㎝にあたります。
□㎝=10㎝×7/3=70/3㎝
■㎝=10㎝×4/3=40/3㎝
(母線)×(底面の半径)×3.14=(円すいの側面積)です。
70/3㎝×7㎝×3.14-40/3㎝×4㎝×3.14=110㎠×3.14 … 円すい台の側面積
よって、できる立体の表面積は
(82㎤+98㎠+49㎤+110㎤)×3.14=1064.46㎠
です。
答え ア 1064、 イ 46
本問は、回転体の表面積の求め方を確認できる問題です。
見取り図や図形式をかくと、漏れや重複を防ぎやすくなります。
今回は、2025年度と2026年度に共学中で出された「回転体」の問題をご紹介しました。
多くの問題は、今回のように、回転する図形が与えられていて、体積や表面積を求めることになります。
ですから、もし、正解できない問題があれば、見取り図のかき方、円柱や円すい、円すい台の体積や表面積の求め方を急ぎ確かめましょう。
![]()

